健康について093 四十肩・五十肩とは
肩関節周囲の組織に炎症が起こり、生じた炎症により痛みが起こります。
40~50代以降に多くみられることから、一般的には四十肩・五十肩といいます。
正式には「肩関節内周囲炎」といわれています。
突然の痛みが発症する急性期と、肩の動きが制限される慢性期に分類されます。
原因
年齢とともに肩の部分にある関節を覆う膜や骨同士を結ぶ靱帯の柔軟性が低下
する事で起こると考えられています。
また、腕の筋肉と骨を繋ぐ組織が加齢に伴い変性し炎症を起こすことも
原因のひとつとなっております。
症状
- 突然の激しい痛みが現れる急性期
ある日突然、腕を動かして時に肩に鈍い痛みが起こります。
これが四十肩・五十肩の典型的なパターンになります。
ほとんどが片側のみに症状が現れ、肩を動かす際に痛みが二の腕の方へと
伝わるようになります。痺れを伴い眠れないほどの痛みを伴うことも
少なくないです。
肩関節の炎症で起こる急激な痛みは、数日で自然と消失する。
- 肩を動かせられる範囲が制限される慢性期
急に痛みが治るとともに、鋭い痛みから鈍い痛みに変化します。
それに伴い、肩を動かせる範囲がだんだんと狭くなっていくことがあります。
特に、肩を上に上げたり、後ろに回す動きが困難になります。これを拘縮(コウシュク)といいます。
痛みのために、肩の筋肉を動かさないでいるとさらに組織同士が
くっついてしまい動かなくなります。
その為治りがさらに遅くなってしまいます。
日常生活で出来る予防
肩の関節を動かす
- 肩をすくめて戻す
- 両腕を前からまっすぐ上げ、耳の横に付けておろす
- 右腕を胸に引き寄せて反対の腕で肘を固定。同様に左も行う
- 肩を前に10回、後ろに10回回す
→肩を動かす運動で、普段から肩のストレッチを行いましょう
対処法
・急性期は安静、慢性期は動かす
急性期には、無理して肩を動かさない様にしましょう。
重たい荷物を持ったり運動するなど痛みを伴う動作は避けましょう。
発症して4~5日後から慢性期へ移行してきます。
その後の慢性期は逆に動かし、日常動作は積極的に行うようにしましょう。
・慢性期に、振り子運動を行う
慢性期は「振り子運動」がオススメ!
やり方
痛みのない方の手で机にもたれ、ペットボトルまたはアイロンなど500g~1kg程度の重さの物を痛みのある側で持ちます。腰をかがめ、前後左右にゆっくり振ります。手で持った重みで腱が伸び楽になります
・睡眠時の姿勢を工夫する
最も楽な姿勢を取りましょう。枕は首の骨が自然なカーブを保てる高さにする。
寝ている間に肩が冷えてしまうと、痛みに繋がります。布団から肩が出ないよう
にサポーターや毛布、バスタオル等で工夫をしましょう。
・服選びや着替えに気をつける
袖や腕周りがゆったりしている衣服を選びましょう。
急性期には被る後ろにファスナーがついているようなものは痛みを伴うため
避け、身体の前面で開くものを積極的に選びましょう。
着るときは痛みのある腕を先に袖に通し着用。脱ぐときは痛みがない側から脱ぐ
と良いです。
・肩を温める
カイロや温感湿布を当てておくことで肩を冷やさないようにする。
ぬるま湯に浸かりしっかりと温まる。入浴方法も重要になります
ただし、冷やした方が楽に感じる事もあります。その場合氷のうで10分から15分
くらい冷やす。
温めると炎症が悪化してしまう急性期には十分注意しましょう。