健康について100 タンパク質の特徴と摂取の仕方
植物性・動物性の両たんぱく質は、私たちの健康維持に欠かせませんが、
それぞれ特徴があります。
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成できない
ので、食品から摂しなければならない「必須アミノ酸」です。
この必須アミノ酸は、動物性たんぱく質に豊富です。
とくに、牛乳・乳製品に含まれるカゼインやホエイプロテインは、
必須アミノ酸のすべてを豊富に含む、「アミノ酸バランス」に優れた
良質のたんぱく質です。
また、カゼインは柔軟な分子構造となっているため、たんぱく質分解酵素
(プロテアーゼ)による消化吸収性が極めて高いのが特徴です。
豆類に含まれるたんぱく質には必須アミノ酸は豊富に含まれていますが、
小麦や米、野菜類に含まれるたんぱく質では、いくつかの必須アミノ酸の
含有量は低く、アミノ酸バランスに優れません。また植物性たんぱく質では、
食材中の含有量がそれほど高くないものが多く、
消化吸収率が動物性たんぱく質に比べて低いなど、不利な点があります。ただ、植物性たんぱく質を含む食材には、体調を整えるための食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれるものが多いので、体調に合わせていろいろな食材をバランスよく食べることが望ましいといえます。
◆どのように摂取すればいいのか
基本は3食バランスよく食べることが第一です。
よりよい効果が期待できます。
減量・ダイエット・加齢・ストレスなど、様々な状況に置かれている時でも、
タンパク質はしっかりと補いたい栄養素です
タンパク質不足が起こる大きな要因の一つに “食事量の低下”があります。
これは減量やダイエットのように意識的に食事量を減らしている場合と
加齢に伴い食が細くなっている場合があります。
その他、ストレスや運動などで体のタンパク質が消耗しやすい状態となり食事
だけではタンパク質をまかなえていないことも考えられます。
タンパク質は筋肉や骨、臓器から髪の毛や爪にいたるまであらゆる体づくりに使われる栄養素です。
その他、体を機能的にはたらかせるための“ホルモン”や“酵素”、
体を守るためにはたらく“免疫体”をつくる材料になっています。
このようにタンパク質は体の機能を維持するためにも欠かせないものです。
そしてこれら体内のタンパク質は日々作り替えられています。
体内で古くなったタンパク質は排泄し、食事で摂ったタンパク質を利用して
新しいタンパク質を作り出しています。
タンパク質が不足すると作り替えることができず、筋力などが衰えるだけ
でなく、体の機能低下を引き起こし、体調を崩しやすくなる可能性が増すと
考えられています。
ビタミン不足などは、肌がかさついたり、口内に炎症が見られたり、
不調や夏バテのように疲れとして現れることが多く、比較的目に
見えやすいものです。
タンパク質は、筋肉や骨、臓器、髪の毛、爪など体づくりに使われる
重要な栄養素ですが、不足していると体の中でその栄養素を補い、必要な場所に
使われるということがあるため、すぐに症状としては現れないのが特徴です。
日ごろからトレーニングを行っていない場合は、体重1kg当たり、約1gの
タンパク質を摂ることが目安です。体重60kgの人でタンパク質60gです。
食事でタンパク質摂取を意識指定みましょう。
しかし、食材のタンパク質量を考えながら日々食事をすることは、
なかなか難しいです。そこでオススメなのが「
1回の食事で手のひらサイズのタンパク質のおかず」です。
一品で手のひらサイズにする必要はありません。
1回の食事の主菜・副菜に含まれるタンパク質を多く含む肉・魚・卵・豆
(豆腐・納豆)をすべて合わせて手のひらサイズを目安にしてみましょう。
それ以外に、牛乳・乳製品を少なくとも1日に1回は食べるように
心がけましょう。
タンパク質含有量が多い食品類としては
・肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品
があげられます。
ただタンパク質と一口に言っても、例えば乳製品に含まれている
タンパク質と大豆製品に含まれているタンパク質では働きが違います。
また、消化吸収に必要とされる時間が異なっています。
そのため、タンパク質を摂る際には単一の食品ではなく、
いくつかの食品を組み合わせて摂るとより効果的だと言われています。
また、タンパク質を摂るのに数字でいちいち計算をしたり
難しいことを考えるのは面倒!という人は、
とにかく毎食ごとに肉や魚を取り入れるところから始めてみましょう!
このとき、「魚と大豆製品」と言う風に2種類のタンパク質を摂るのが
ポイントです。たとえばランチの豚の生姜焼きに納豆小鉢をトッピングしたり、
デスクワークの方ならその分ご飯の量を減らすことで、
食後の眠気も抑えることができます。
コンビニランチなら、シャケおにぎり(具は多目がおすすめ)に
ゆで卵、枝豆などの野菜をプラスしてみましょう。
もし大豆製品が多めなら、動物性のタンパク質をプラスするのもコツです。
アミノ酸の質を高めることで、筋肉として使われやすいタンパク源となります。
納豆を食べるときに卵をプラスする、豆腐には鰹節やしらすをプラスするとよいです。
おつまみに枝豆をオーダーするなら、ぜひ焼き鳥もセットにしてみましょう!
よく考えてみると、昔からある人気の組合せは身体にとって、
栄養価の高い理にかなった食べ方ですね。
ふだん肉や魚をほとんど食べない人は、
まずはとにかく毎食タンパク質を摂ることを目標にしてみましょう。
ちなみに、こういう方が突然ステーキ屋さんに行って肉300gを食べたりすると、
消化が追いつかずに胃腸の調子を崩してしまうこともよく聞くトラブルです。
焦らず少しずつ増やしていきましょう。